曇天続きの毎日。

思わず、溜息が溢れてしまう。
寒さが、足元から這い上がってくるようだ。
ぞわりと肌が粟立つ。
こんなにも目眩がするのはどうしてだろう?
ここの所の寝不足のせいか…それとも、ずっと凝り固まった重く沈んだ心のせいか…。


ふっと思い立ち、デスクを離れ窓に近寄る。


雨が、降っているのだろうか…?
それかどうにも気になった。


本社ビルの32階から見下ろす街並みはいつも何処か遠慮がちに思われる。
きっと地上では此処よりもずっと暖かい温もりを感じられるだろうに、と…そう考えてから。


「なんだか、拒絶されてるみたい…」


私はぽつり、と呟いて少しだけ曇った窓ガラスを指できゅっとなぞった。


まだ、この時期は寒さも厳しい。
だけれど、あと1ヶ月ちょっと我慢すれば、暖かい春もやってくるだろうし、そうなれば今手掛けている仕事も大体の目処が立って、落ち着くだろう。


ここの所の忙殺ぶりから瞳の下に隈が出来ていることで、私の機嫌は最悪に低下していた。
いつもならば笑顔で乗り切って流せることも、流せていなかったりする。