あの日はとても寒かった…。


朝から大粒の雨が降っていて、曇がとても低く胸を圧し潰すような威圧感があった。


どろり、とした感覚。
頭の中を濁らせる、風。
やけにこの身にまとわり付いて気持ちが悪かった。


いや、違う。
濁っていたのは、心の方かもしれない。
ふと、そう思い当たって、あぁ…と納得する。


あの日。
私は、半身を千切られたように痛み悶え、…ただ、何度も変わっていく信号の青と赤の色を眺めてた。

ただ、視界の端に入れていただけとも言うけれど…。

人は、変わる。
そういう生き物だ。
それを実感したのは…決定打を受けたのは、とある日の休日。


特に予定もなく、ふらふらと街を歩き、だらだらと宛もなくウィンドウショッピングをしていた時のこと。
私は、目の前で展開されている出来事を傍観することしか出来なかった。