ケータイ小説 野いちご

【短編】6.3%

味噌

目からたくさん塩分を垂らして、塩辛いラーメンをすすった。


私はきっと、これ以上に染みる味噌ラーメンには、生涯出会えないと思う。





「ぶっさいくな顔してんなあ」


「……あんたもじゅーぶん、ぶっさいくだよ」



せまくてボロい、だけどめっちゃ美味いと有名な、地元のラーメン屋のカウンター席。


幸も髪も薄そうなサラリーマンと壁に挟まれて、私たちは同じものを食べていた。



「これでもイケメンて言われんだぜ、俺」


「私も言われるよ、黙ってれば可愛いって」


「気があうな、おそろっちじゃん」


「そうね」


「…ほんと、気が合いすぎて、悲しくなるわ」


「……うん」



ずずっとすすった麺から出てくる味噌の液が、馬鹿みたいにあったかい。

こんなに味噌ラーメンって美味しかったっけ。こんなに、身に染みる味してたっけ。


知らなかったね。

知らずに済めば、よかったのにね。


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