「郁也っ」


季節は巡って、夏。


「あー、林檎、暑苦しい」

「な、ナニソレーッ!久しぶりに会ったのに!」

「はは、ジョーダン。今日もカワイイ」


当たり前のようにそんな事を言ってのけるけど未だ慣れない。大学4年になった私たちは、最後の夏休みに突入した。

高校を卒業して、違う大学に入ってからは、お互い時間を作って週に1回、絶対に2人で会うと決めている。

でも、大学四年の始まりは就活で忙しくて中々会えない日々が続いてたんだ。

わたしは管理栄養士の資格を取って食品会社に、郁也はあの人当たりの良さと頭の回転の速さを買われて誰もが知っている大手企業に就職した。


つまり、やっとたくさん会える時間ができるんだ。