「なあ林檎、クリスマスどうする?」


再び付き合いだしてから5か月ほどがたった。夏休みも秋の体育祭も文化祭も、ぜんぶ郁也と過ごしてきて。

最初は学年イチの王子様、西条郁也の彼女ということで女の子たちからのやっかみもひどかったけど、最近ではそれもまったくなくなった。むしろみんなフレンドリー。

なんでも、郁也が私に手を出そうとする女の子全員に『そういう子は嫌いだな』って王子様スマイル(目は笑ってない)を向けたんだとか。本当に抜かりのないオトコだ。


小さな喧嘩はちらほらあったけど、付き合った時から郁也への気持ちは変わらない。むしろどんどん好きになっていくばかり。きっとそれは郁也も一緒。



「ええ、もうクリスマスの時期か…!」

「なんか欲しいもんある?」

「えっ!」

「一緒に過ごすだろ?」


ああそうか、世間のカップルはクリスマスを一緒に過ごすのが当たり前なのか。恋愛初心者すぎてこんなことにさえ嬉しさを感じてしまう。

外ではもう、マフラーを巻かないと歩けないほど寒い季節がやってきている。