ケータイ小説 野いちご

ウソつきオオカミくんのお気に入り

3.愛ってきみとつくるもの
・オオカミくんと幸せな日々



「あっ」


ガッシャン、と大きな音を立てて、目の前のチョコレートがこぼれていく。ここまで完璧だったのに、またやり直しだ。


「もう最悪……」


本の中のカップケーキを見て、顔をフルフルと横にふる。まだ諦めないんだから。

お菓子作りーーそれは不器用女子にとってかなり難関な問題だ。

何故突然、こんな柄もないことしてるかって?


それは、明日が郁也との一か月記念日だから。彼氏なんて初めてでどうしたらいいかわからないけど、何かしてあげたくて。

それに、郁也の様子が最近おかしいのは気づいてるの。

どうにか元気になてもらおうっていう、わたしにとっては一大プロジェクト。



甘い甘いカップケーキにチョコレートのコーティング。ピンクのリボンにカラフルな飾り付け。


「……郁也、喜んでくれるかな」


思わず顔がほころぶ。恥ずかしいけど、最近のわたしは郁也のことで頭がいっぱいだ。


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