「取りあえず、告白?」






親友にそう言われ、彼の放課後のお気に入りである旧図書室に来た。


開けた瞬間、埃っぽい本独特の匂いが鼻を通った。

そして、私は彼の姿を見かけて駆け寄った。






「あの……っ、光希くん!」




みつきくん、と私が呼んで振り向いたのは染めたことのないような黒髪に、メガネをかけた男の子。



長い足を組んで、本を読んでいた。





「……何ですか」



誰、とは言わない辺り多分なんとなく私のことを見たことがあったんだろう。

まぁ、同じ委員会だからだけど。






「好きです……っ、付き合ってください!」




「嫌」



「即答……」





でも、ここでしょげる私ではない。

というか、そもそもフラれる前提できたんだから全くもって問題はない。





告白したら、意識してくれるかもよ?って、親友が言ってた。


今日はそれが目当てだ。







好きになってもらう方法【その1】は、




彼に意識してもらうことだ。