「ごめん」



そういった彼は
私の手を振り払い行ってしまった


嘘だと言って
冗談だよ、て振り向いて


そう何度も思った
けど彼は振り向く事はなかった





ジリリリリリッー




ハッ、と目がさめる
枕元に設置しておいた
鳴り響く目覚まし時計を止めた



まただ…
また、あの日の夢



はぁ、とため息をつき
身体を起こした


時計を見れば、まだ6時
家を出る時間まで、まだある

カーテンの隙間が陽射しが入る
天気がいい証拠だ
でも夢のせいで気分が晴れない



『シャワーでも、浴びようかな』



少しでも気分を変えたくて
バスルームへと向かった