「終わったの…」



死なずにすんだ。

真由は、嬉しくて涙が流れた。

勝利=猿の死であるが……真由の頭は、そこまで回らない。

暗かったコクピットに、光がつき、ガンスロンは通常起動した。




「何とか…勝てたか…」

潤一郎は、ほっと胸をなで下ろした。

真由にきつくあたったが…心配でなかったはずがない。

「賭だったが…やはり、動いたか…」

「お祖父様…」

「ロンは…命を捨てて、神を裏切っても、守りたかっのは、真由だからな」


通常起動に戻ったガンスロンを見、

「帰るか…」

潤一郎が力を抜き、真由に謝ろうと、スピーカーにスイッチを入れた。




「きゃあああ!」

真由の悲鳴が、飛行艇内に響いた。

「真由!」


コクピットの辺りから、五つの印が飛び出すと、ガンスロンの前で、一つになり、膨張した。

そして、ガンスロンと同じくらいの大きさになった。


「馬鹿な……」

潤一郎は、絶句した。

巨大な光の玉は、色がつき、形を得た。

その姿は………。 



まどかも、絶句した。



「ガンスロン…」



ぼろぼろになったガンスロンの前に、もう一体のガンスロンがいたのだ。