翌朝、いつも通り何事もなく教室に入った途端、私は女子の軍団に囲まれてしまった。

 クラスの中でのボスはもう顕在してて、その子を筆頭につくられたグループが朝からばっちり整えた顔を寄せ集めている。

「昨日、告られてたでしょ!? 断ったって本当? 何で断ったの?」

 私はその大半の子の名前が分からない。

 そもそも、こんなに大人数で居られることが不思議だ。

 それに、友達でもない他人のそういう話に、どうして首を突っ込みたくなるのか。

「名前、知らないし……いきなりだったから」

 だけど、私もそんな疑問を率直にぶつけるほど子供ではない。

 模範解答を述べれば、「あー、そっかぁ」とか「試しに付き合うってのもありだよ」とか好き好きに盛り上がってくれる。

 女子同士の関係は恋愛なんかよりも厄介で苦手。

 理不尽で、面倒で、変な気を遣うのに疲れる。なんて、言ったらこの面々がどんな顔をするのか……と想像に容易すぎて笑ってしまいそう。