昼の休憩時間になる頃、ずっと弘樹の事を観察していたあたしは、さすがに柚香の寂し気な表情にも気が付いていた。


クラスメートたちと会話をしながらも視線は弘樹へ注がれているし、時折切なげなため息を吐き出している。


そんな柚香を見ているとなんだかほうっておけなくて、あたしは珍しく柚香を誘って昼食を食べていた。


あたしたちのグループに突然お邪魔する形になった柚香は少し居心地が悪そうだったけれど、話をしているうちに打ち解けて行った。


「ねぇ、柚香はそんなに弘樹の事が気になるの?」


ご飯を食べ終わった頃合いで、あたしは柚香へそう質問した。


その質問に柚香の顔が一瞬にして真っ赤に染まる。


「え、柚香って、弘樹の事が好きなんだ?」


マナがそう聞くと、柚香は慌てたように左右に首を振った。