あの機械があたしのものになる。


それほど魅力的な話はなかった。


1日。


今日だけ我慢すればそれでいいんだ。


24時を超えた瞬間、あたしは弘樹から自由になれる。


そして複製機を自分の物にできるのだ。


あたしはゴクリと生唾を飲みこんだ。


複製機さえあればなんでも手に入る。


陸人ですら、手に入れる事ができるんだ。


それほど魅力的な事はなかった。


あたしの人生はまさにバラ色になるに違いなかった。


「……わかった」


数分間の逡巡の後、あたしはそう返事をしたのだった。