いくら周囲から可愛い、綺麗だと言われても陸人はナオと一緒にいた。


今のあたしとナオが並べば月とスッポンほどの差があると言うのに、陸人はナオを選んだのだ。


あたしは悔しさに拳を握りしめる。


いくら綺麗にしても陸人を振り向かせることができないのなら、意味がない。


時々声をかけてくる男子生徒たちを適当にあしらい、スマホを取り出して可愛く見えるメークの方法を調べた。


ずっと綺麗になりたくて、陸人の好みになりたくて頑張って来た。


それがナオのせいで突然変化したのだ。


苛立ちを隠すことだってできなかった。


どうしてナオなんだ。


ずっと一緒にいたあたしを見てくれたらいいのに。


どうしてナオなんだ。