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学校の最寄駅に着いた私は、

ノンストップでまた走り出す


こんな時に思うよね。




「(運動が得意で良かったっ…!)」




商店街を抜けて、橋を渡って、

ほら、もう学校が見えてきた





「…っ、はぁ、」





ゼーハーいいながら、泉の靴箱を見る


上履き、ない…てことは、学校に、いる。




入れ違いになる前に見つけなきゃっ





「…いずみっ」





階段駆け上って、教室の扉を勢いよく開ける


絶対学校にいるはずなのに…

教室にいないとしたら、じゃあ……




頭の中に思い浮かんだ場所は、一つしかなかった





『ほんと、俺のこと嫌いだよね、早乙女さんってさ』