『千紗、おいで』





…泉の好きな人は、いったい誰なんだろう?




文化祭当日の装飾された校舎

クラスTシャツを着て楽しそうに笑っている生徒たち

屋台のいい匂い



お化け屋敷の受け付けをしながら、ぼーっとしている、私。





「(…はぁ)」





麻美がせっかく髪の毛を巻いてくれたのに、どうしてこんなに楽しめないんだ、私…!


なんて、そんなの決まってる。





『ここで待ち合わせしてるんだ』


『あのピアス、お揃いで買ってたんだよ。』




あの泉に、好きな人がいるって分かったからだ。


…でも、この学校じゃないよね…そしたら他校の子か。

絶対美人なんだろうなぁ…




「あ、千紗!中のダンボールちょっとはがれちゃったんだけど!」