浩二さん、驚きを隠せません。
しかし、ゆっくり見ると、ちょっと違うことに、気が付きました。

パイル地でグレーの床、柔らかなクリーム色の壁、天井は、それそのものが淡い光を放っているようです

右を見ても、左を見ても、廊下しか無い感じです


「っていうか‥何なんだよ‥ここは‥」

「お嬢様の家ですが‥御案内しましょう。」

「あ‥ああ‥」


右側に、数歩、そして左手を向いたら
あら、不思議!ドア?そしてルームネーム?
ポカンとしてる浩二さん

男は一度、浩二さんに微笑んで、右手をネームプレートに‥

ウン・・

鮮やかに、ドアらしい壁が左右に‥


「やっぱり、ホテル‥
あ~‥‥?」


絶句した浩二さんをよそに、男はそっと猫を下ろします。

猫はゆっくり、先の方へ

なぜ浩二さんが絶句したかと言うと‥

海です‥

目の前に、ビーチが広がっています。

浩二さんの頭の中の地図では、ここは山の中です。
そして太陽!
時間的に、暮れているはず‥ なんですが‥