麗美side



唇に何か柔らかいものがあたって私の頬には何かが垂れた



………誰?



“……。麗美…”



愛おしい人の声



…早く起きなきゃ…。



大好きな人に心配かけちゃう



頑張って重い瞼を開けると広がった白い空間と独特な薬の匂いが充満した部屋



右手は何か温かいもので包まれていた



右手を包んでいる何かをみようとするけど体が痛くて動けない



『は……や…と…』



掠れる声でやっと紡げた言葉



「……麗美」



確かに呼ばれた私の名前



『速斗…』



多分私の手を包んでいるのは速斗…。



力を振り絞ってそちらを向く