♯1
キーンコーンカーンコーン――……。
「起立、礼っ」
一斉に教室が騒がしくなる。
やっと午前中の授業が終わった~!
…ああ、お腹すいたなぁ。
私、椎名陽和(しいなひより)は、机に突っ伏していた。
「ひよ~!お弁当食べよう」
空腹に耐えきれない私に声をかけてきたのは、私のいちばんの親友。
深田咲菜(ふかださな)ちゃんだ。
「うん、食べよう…!」
「それにしても、ひよ…。あんた、授業中お腹鳴りすぎ」
う、うそでしょ…!
咲菜ちゃんと私の席、ものすごく遠いのに…!
そんなに大きい音で鳴ってたの!?
「ど、どうしよう、恥ずかしいよ!」
「教室中に響き渡ってたもんね」
「わわ、本格的に消えたい……」
「ま、嘘だけど」
ニヤッと笑みを口の端に浮かべる咲菜ちゃん。
な、な……。
ケータイ小説 野いちご
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