太一side





「入学式、明日かぁ」



そう呟きながらも

先日の練習試合のことを思い出す。


自分の身体のことなんてお構い無しで

ただ、良い写真を撮るためだけに

ほぼ無意識で跳んだ環奈。




『環奈には才能がある。

その証拠に撮りたいものが無くても、

この2年間、
写真を撮ることを仕事として続けられた。

でも、もしその環奈が
撮りたいものを見つけたなら

凄い事になる、必ず。』




そう環奈について話していた遠藤さん。


撮りたいものがあるか無いかとか

俺にはよく分からない。