私は、中野百合!高校二年生!

友達には、天然とか、世話が焼けるとかなどと、よく言われます。


「わっ!?」

(トス

「おっと、大丈夫か?」

「すみません…」

「しっかり、前を見て歩けよ?」

「は、はい。」

私の目の前に、立っていたのは、黒い狐の妖でした。

「え?えっと、あの、その…」

「なんだ?」

「その尻尾と耳は、本物ですか?」

「!?見えているのか!?」

「はい。ばっちりと…」

「おかしいな。隠しておいたはずなのに…」

「てことは、妖ですか?」

「あぁ、見ての通り狐の妖だ。」

「えぇー!え、ちょっ、え?」

「何か不満か?」

「いや、そういう訳ではないんですけど…」

キーンコーンカーンコーン

「あぁ!遅刻だー!」

ダダダダ


「全く、騒がしいやつだ…最近の女は、あんなやつばかりなのか?」










〜学校〜

「ギ、ギリギリセーフ!」

「遅いよ、百合!」

「何があったの?」

「それがさ…」


「早く、席につけー。HR始めるぞ〜」




私があの妖について、いろいろ考えてるうちに、昼休みになってしまった。


〜昼休み〜

「百合〜、屋上で食べるよー!」

「う、うん!」


〜屋上〜

「で、何があった?百合が遅れることなんて、そうそうないじゃん?」

「そうだよ、何があったの?」

「えっとね、朝いつものように通学路を歩いていると、石に気が付かなくて転びそうになったのを、狐の妖が私のことを助けてくれたんだ!」

「「あははははははは!!!!」」

「百合ってば、冗談上手すぎ!」

「ほんとだって!」

「それ、何かの見間違えだよ〜」

「もう、梨紗まで〜!」

「あー、はいはい。とりあえず、信じてあげるよ。でも、次は転んじゃだめだよ?」

「そうだよ、梨紗の言う通りだ。いつもいつも、誰かが助けてくれる訳じゃないんだからな?」

「分かってるけど…」

「とにかく、気をつけてよ?」

「う、うん…」

「次、移動教室だから、早く行くぞ?」

「「はーい」」



何だかんだで、放課後になっちゃいました。


〜放課後〜

「梨紗、夏希!部活頑張ってね!」

「ありがとう!」

「おう!行ってくるな!百合も、気をつけて帰れよ!」

「うん、分かってる!」



〜神社〜

(今日も、安全に暮らせました…明日も安全に暮らせますように…)

「よし、帰ろっと。」

「…」


〜家〜

「ただいま〜!」

「おかえり」

「え!?今朝の狐の妖怪!なんで、ここにいるんですか!?」

「お前、あの神社でいつも朝と夕方にお参りに行ってるだろ。」

「そうですけど…それが、どうかしましたか?」

「俺、あそこに住んでるんだ。今朝、ぶつかった時、お前だと気づかなかった。」

「…え?てことは、毎日私の事を見ていたってことですか?」

「そうなるな。」

「えー!」

「お前は、よく驚くな」

今、笑った…かっこいい///

「どうした?ぼーっとして。」

「い、いえ//!大丈夫です///」

「お前、面白いやつだな!」

「面白くないですよ!それに、私は、中野百合って名前があるんです!」

「わかったわかった。百合…これでいいのか?」

初めて男の人に、下の名前で呼ばれた/////
何だか、ドキドキする…///

「あの。」

「どうした?」

「貴方の名前は、なんと言うんですか?」、