「それで、今回の任務って確か密書を取り戻すこと……だったっけ?」

「あぁ。
禁術が書かれた物とある一族に関する物の2種類だ」

「ある一族?」



琳埜と琉飛の会話に静かに耳を傾ける鳳舞。
その表情は気だるげだ。

だが、しっかりとふたりの会話は聞いている。



「資料でも現実でも謎の多い一族について書かれている」

「そんな一族、聞いたことないんだけど?」

「謎が多いからだろ」

「琉飛は知ってるわけ?」

「………………まぁ」



琉飛は琳埜の方を向くことなく、そして歯切れ悪く答える。

鳳舞はただ黙って二人の会話を聞いていたが、周りが少しずつ暗くなってきている事に気が付き、少し眉を寄せる。



「話はそこまで。
今日野宿する場所を決めよう」

「そうだね!」