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立花くんの彼女を無理やり押し付けられてから、早3日が経った。


聞いてくれ。
ココ最近、藤井のやつがおかしい。



「ねぇ、藤井!聞いてる?」

「…………」

「藤井ってば!!」

「……っ、なに?」



ついに文化祭を明日に控えている今日。

私たちのクラスは既に学級展示やPR看板が仕上がった。私はほとんど演劇の練習ばかりだったから、みんながワイワイ楽しそうに作業するのを指をくわえて見ているだけだったけれど、


それでもやっぱり文化祭準備期間の雰囲気は楽しくって好きだな〜って思う。



「何なの?さっきから上の空だけど」

「いや、別に?」

「今朝だって、何か言いたそうだったし。言いたいことあるならハッキリ言ってよ」


朝、私を迎えに来た藤井は、分かりやすく挙動不審で、何か言いたげに私を見つめるくせに『何でもない』の一点張りだった。


そんな藤井の態度は午後になった今も健在で、モヤモヤが募りすぎた私は、ついに藤井の核心へと迫った。


「……夏乃はさ」

「なに?」

「……立花のこと、どー思ってんの?」

「何それ?別にどうも思ってないよ」

「だって立花はイケメンでスタイルも良くて、勉強も出来て……色々完璧じゃん」

「んー。そう?でも、感情に欠陥があったよ」

「感情?」

「人を"好き"になったことないんだって。寂しくない?"好き"って気持ちを知らないって……悲しいよね」



演劇のリハーサルを5分後に控えた私と藤井は、教室の窓際で壁に寄りかかりながら話してる。