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翔の大会が終わり、あっという間に秋がやってきた。



「ぜってー先輩。俺に告白してるときに自分の気持ち気づいたとかだろ」



「…へっ…ち、違うよ!…ちょっとだけしか」



「…それって、本気で思ってないからじゃない?やっぱり」




いつもの屋上で、手を繋ぎながらあたしの膝に寝転んでる翔。




前よりぐっと甘えてくれるようになった。

 


そんな翔が可愛くて、最近あたしすぐ赤くなっちゃう。



あたしは、拗ねたようにあたしの手をいじる翔の手をぎゅっと握り返す。

 


「…?」



「…好きだよ?…」




「…もっかいって…」



「翔のこと…大好き」





ぎゅっ



大きな体に包まれて、暖かさを感じる。



そうか…あたしはいつも翔に温もりとか安心とか全部もらってたんだ…。



あたしは何もあげてないのに…。