結局、私の身体は2週間経っても退院なんて全然出来なくて。


ほぼ毎日来てくれる紗綾ちゃんと縁寿ちゃんを今日も、見送っていたら。


…隣の席の冷泉くんに出会った。



「あ、あの…冷泉くん。
良かったら、私の部屋…来る…?
お茶くらいなら…出せるから…。」


「あ…あぁ…。」



話したことなんてないし、なんだか…緊張するし。


病室にパパや先生以外の男の人を入れるのは初めてだから…。



ぽつりぽつりと会話を交わしながら、冷泉くんが私の車椅子を押してくれて、病室に案内する。



「ご、ごめんね。
あんまり綺麗じゃなくて…。」


「…いや、大丈夫。」


「良かった…。」



部屋の冷蔵庫からペットボトルのお茶を出すと、そのまま紙コップに注いで冷泉くんに渡した。


ふと、自分の格好に目を向けて……唖然とした。