ケータイ小説 野いちご

【完】溺れるほど、愛しくて。

知れば知るほど




《萩花side》



「入れ」


「…お邪魔します」



慶さんに連れてこられたのはどこにでもありそうな外見も至って普通なマンション。


ボロボロでも綺麗でもない、本当に普通だ。


こんなところに来るのは今日が初めてでソワソワしてしまう。


彼氏もいたことがないし、男の人の部屋に入るのも初めてになるなぁ…。


キョロキョロと辺りを見回していると上から声が降ってきた。



「あんまり、キョロキョロすんな。早く靴を脱げ」


「あっ…ごめんなさい」


「次、敬語で話したら追い出す」


「えっ…!?あ、わかりま…分かった!」



あたしは急いでローファーを脱いで、慶さんに付いていく。


お風呂の場所やトイレの場所を教えてもらい、リビングに入った。



「長居はするなよ。
親にバレたらめんどくせぇし」


「あ、そうだよね…慶さんのご両親もここに帰って…」


「ちげぇよ。お前の親のことだ。
俺は一人暮らしだから別に関係ない」



あっ…一人暮らしなんだ。
どうりで物も少なくて部屋の数も少ないわけだ。




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