職員室も、先輩たちの教室も探した。


数少ない部室にも誰もいない。


窓という窓もすべて調べた。


鍵が開いているのにどこも開かない。


どう考えても異常事態だった。


あたしたちは一旦自分たちの教室へ戻り、窓の外を確認した。


外にはもう誰もいない。


先生の死体がそこにあるだけだった。


スマホを確認してみても、圏外になっていた。


みんな茫然としてしまい、誰もなにも言わなかった。


張りつめた空気とみんなの呼吸音しか聞こえて来ない。


大和があたしの手をキツク握りしめてくれているから、どうにか立っていることができていた。


そじゃなきゃ、とっくに崩れ落ちていただろう。