あたしと大和はしばらく放心状態になっていたらしい。


気が付けば2人とも教室の後方にいて、ぼんやりと座り込んでいた。


制服はまだ血だらけだけど、顔や腕に飛び散っていた血は綺麗に拭き取られていた。


「大丈夫?」


里子の声にようやく反応することができた。


「うん……ごめん。血……」


「ううん。タオルで濡らして拭いただけだから。着替えしてきなよ」


里子の手にはあたしと大和の体操着が握られていた。


なにもかも準備してくれていたようだ。


「でも、投票は……?」


教室内を見るとみんなグッタリとしていて、話し合いはしていない。


モニターに映像も流れていなかった。


「真奈美が死んで残り7人になったの。半分になったから、1時間休憩だって」


そう言われてあたしはホッと安堵のため息を吐き出した。


投票はまだ先みたいだ。