セミもないてる昼下がり、私たち4年2組の教室は、言葉に出来ないほど暑かった。


1番前に大きな扇風機が2台あるけど、私の席には届かない。


「そういえば、新しく出来たあの学校、エアコンが付いてるらしいぜ。」


「えー!オレも転校して~!」


そんな男子たちの声が聞こえてくる。


それを暑さのせいなのか、ボーッと聞いていた。


「こらっ!静かにしないと、帰れませんよ。」


玉のような汗を流しながら、先生はバンッと黒板を叩く。


その黒板には大きく終業式の日程が書かれている。


そして、その帰りの会の真っ最中。


そりゃ、先生が怒っても仕方ないなと私は思った。


男子たちは先生の帰れないという言葉で、慌てて手で口をふさいで静かになる。


「えー、静かになったので話を進めます。明日から夏休みですが、その前に1つ宿題を言い忘れてました。」