――と、いうのがおよそ一週間前の話。

そして今。


相も変わらず、心霊現象に悩まされているあたし。



なぜかというと。

あの日の帰り道での会話を思い出す。



「美加」

「え?何?」

「しばらく色々あるかも」


い、色々ってアナタ……。


「どういうこと……?」

「美加、寄られやすいから」

「寄られ……っ」



いやいやいやいや!

そんなこと言われてもあたし今まで心霊現象とは無縁だったんですけど。


そんなあたしにレイが言う。



「今まで何も見えないくらい弱かった霊感が急に強くなったからな。霊にとっては一番寄りやすいんだよ、お前みたいなの」

「なっ、何それ」


あたしは顔をひきつらせる。

霊が寄りやすい!? それはやっぱりリアルに怖いんだけど!


「ただでさえ霊感がある奴は狙われやすいのに、もともと寄られやすい体質で魔除けの札も持ってないお前は霊の恰好の餌食だよ」

「な、何でそんなこと言うのよ!」

「事実だしー」


こんのませガキが……!

あたしの恐怖を煽るような発言するんじゃないわよ!



そんなとき。

ぽん、と神代君の手があたしの右肩に置かれる。



「大丈夫」


お得意の緩い笑顔に、あたしは心がほだされてゆくのを感じた。

そしてトドメ。




「守る、って言ったでしょ」




そ、その笑顔でその発言!

あたしの中のときめきゾーンにクリーンヒットでした。