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分かってた。




さやに、言ってはいけない言葉を、私は分かってた。




それなのに、言ってしまった。





『バスケが好きだから、あの大会の約束を忘れられないんじゃないの?だからそれを外せないんじゃないの?』





これは、今のさやには言ってはいけなかった。





さやを傷つけるだけだって分かってた。





『私の気持ちなんて、莉花には分かんないでしょ!?』




さやは、瞳に涙を溜めてそう言った。




そんな顔をさせたかったわけじゃないの。




ただ、悲しそうにバスケを眺めてるさやを見てるのが辛かったの。