心地良い気温、青々としている木々達、華麗に咲いている花達。

正しく春爛漫と言わんばかりのブライダルフェア当日、担当の小野さんに無事にウェルカムボードを渡して、しばしの歓談中。

「青葉さんと御一緒に副社長までお越し頂けるとは感激です。お時間に余裕があれば、御自由に見学して行って下さいね。ウェルカムドリンクの試飲もしてますので、どうぞ」

「ありがとうございます。是非、見学させて下さい」

小野さんが忙しそうに持ち場に戻ると、私と有澄は模擬挙式をしている教会へと向かう。

ライスシャワーが空を舞い、シャンパンタワーが光り輝いて見える。

「花嫁さん、綺麗ね」

「ゆかりも、もうすぐ着れるように頑張るよ」

「有澄さぁ…何回もプロポーズしすぎ…」

「え?してないよ。正式にするのは段取り決めてからね」

話の合間に何度もプロポーズまがいの事を言うから、まるで私が勝手に勘違いしてただけな雰囲気になってしまった。

実際はどっちなんだろう?と思い、私が黙り込んでしまうと・・・有澄は気になったのか、すかさずフォローをする。

「プロポーズしてないって言ったら嘘になるけど…一生一度の事だから、時期が来たらカッコ良くプロポーズさせて下さい」

「よ、よろしくお願いします…」

私達は手を繋いで歩き出す。

いろは雑貨の展示物を見てから、披露宴の会場を見て回り、最後にウェルカムドリンクの試飲もいただいてからホテルを後にした。

結婚が決まっている彼氏彼女の様にブライダルフェアを満喫し、心が満たされる。