男の価値はこなした女の数だと思う。


三限目の休み時間。


「よぉ善雅(ぜんが)」


「……オッス。ふぁぁ」


「相変わらず重役出勤だなぁ。またオールナイトで楽しんでたのか?」



ざわついてる教室に何でもない顔して堂々と登校してきた俺に、いつもつるんでる友達が声をかけてくる。



かみ殺せなかった欠伸混じりに挨拶を返し、俺は自分の席へと腰を下ろした。



「自分も仕事あるくせになかなか帰してくんなくてさ」


ニヤニヤしながらわかってて聞いてくるコイツに答えるなりまた欠伸が一つ零れた。


いくら健全な男子高校生でも、一晩中オネエサマの相手をさせられたら睡魔にだって襲われる。


「毎度毎度ご苦労だなぁ。ま、好きでやってんだもんな」



コイツの言うとおり。
俺が重役出勤をしてくる日は決まって、前の日に年上のオネエサマの夜のお相手をしているからだ。


特定の彼女と言うわけではない。


セフレって言われる人から、好意でお金をくれる人まで……いつでも相手は不特定だ。



俺の顔は世間的には男前な部類に入るらしく、高めの身長も手伝って女性に好かれやすい外見に出来ていた。


それに、後腐れなくお互いに楽しめるから年上の女性は俺的に好都合だ。



こうして経験値を積んで男のレベルを上げることに俺は青春を捧げているのだった。