かぽーん、とか。

湯煙の中で音が響く。

ここは山間にある天神温泉。

過去、何度も天神学園の関係者が訪れたので、覚えている読者もおられる事だろう。

「……」

女湯脱衣所の方から、古奈美が顔を覗かせる。

温泉の洗い場の方に立っているのは、腰にタオルを巻いただけのリュート。

古奈美は、全開で顔を赤くする。

「や、やっぱり嘘ですよう!男の人と女の子が一緒にお風呂入るなんて!リュート君、私の事からかって遊んでるんでしょう!」

「いやいや、違ぇって!ホントに聞いたんだって!」

リュートも全開で顔を赤くして弁解する。

「この温泉は、コンヨクっつって、男と女が一緒に入ってもいい風呂なんだって!恥ずかしい事じゃないし、スケベな事でもないんだって!」