ケータイ小説 野いちご

天神の系譜の奇妙なオムニバス

ようこそ天神学園へ
真田の兄弟

今日の所は見学程度という事で、リュートは天神学園内を花龍の案内で見て回った。

そこかしこで起きる喧噪、賑やかで自由気ままな学園。

授業中だというのに廊下や中庭で生徒達に普通に遭遇し、昼休みともなればその数は更に増える。

出会う生徒出会う生徒、みんな種族が違う。

ミルトゥワでゴブリンに遭遇したら、まず戦闘開始だろうに、この学園では魔術師らしき出で立ちの三角帽子の女生徒と和やかに談笑しながら移動教室に向かっている。

いや、そこは倒しとけ、冒険初期でゴブリンはいいカモだぞ!みたいな。

「ゴブリンが魔物、魔術師は冒険者…そういう概念すら、この学園には無いんですよ」

学園内の食堂。

リュートと共にお茶にしていた花龍が、そう説明する。

「人間が捕食される存在だって誰が決めました?人狼が満月の夜に人間を襲うって誰が決めました?ミイラ男がファラオの呪いによって動いているって誰が決めました?宇宙人が地球を侵略に来たって誰が決めました?みんな、ここでは生まれが違うだけの普通の生徒です」

つまり、天神学園はそういう場所なのだ。


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