「リュート君っ?」

廊下を走る古奈美が振り返って声を上げる。

同じく走っていたリュートが、転倒したのだ。

「大丈夫ですかっ?戦闘のダメージがっ?」

「いやいや…大丈夫大丈夫」

苦笑いしながら立ち上がるリュート。

…正直、大丈夫ではない。

今日は朝から連戦だ。

自警団の原田、土方、沖田と、今の天神学園ならばトップクラスであろう剣客との戦闘。

ミルトゥワにいた時も激しい稽古はしていたつもりだが、こんなタフな戦闘は初めてだ。

しかも今回のは稽古ではない。

真剣を使った実戦。

こちらに来る前、リプニーが稽古相手は沢山いると言っていたが…。

「冗談きついぜリプニーばばあ…これならドラゴン相手の方がまだマシってもんだ…」