ケータイ小説 野いちご

【完】『幸福論』

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みなほの東京の研究所の仕事は大阪の頃と変わらない。

検体のラットを解剖したり、内臓を薄く切ってガラスにのせて顕微鏡で見られるようにしたり…といった作業である。

チマチマした作業が得意であったみなほは、研究所の中では腕利きの研究員として仕事を任されていた。

毎日定時に電車に乗って出勤し、定時に終わって退社し、近所のスーパーで好物のチョコレートを買って帰るのが日課で、特に目立つ挙措もない。




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