あれから何度目かのクリスマスイブが来た。



相も変わらず街はクリスマスムード一色で浮かれきっている。



中には制服姿で手を繋いだり、寄り添ったりしてるカップルもいて。

少しだけ羨ましくなってしまう。



あの頃はおろしたてだったブーツも、今ではすっかりくたびれていた。



……もう潮時かな。



こうやっていつまでもあの頃の思い出に縋っていても仕方ないのかもしれない……。




あの頃と何も変わらずなんて、そんなのは叶いっこないことだ。




それでも捨て切れない未練が、くたびれたブーツと一緒にわたしの中にあるのかもしれない。



「違う……」



未練なんかじゃない。


これは掛け替えの無い思い出。



わたしたちが生きてきた軌跡の上にある、大切な思い出なんだ。