ケータイ小説 野いちご

promise

共有する思い出


ただでさえ人の多い休日の街は、クリスマス前っていうことも手伝って尚更賑わっていた。



そこへわざわざ行かなくても、歩いて一分もしないとこで会えるのに、



「デートの雰囲気出るでしょ。待ち合わせした方が」



こう言って定番の待ち合わせスポットでの待ち合わせを提案したのは優羽だった。



優羽がそんなこと言ったりするから……わたしもデートって単語を意識してしまう。



柄にもなくお気に入りのブランドの服を着て、髪なんかもおろしたりしてる自分が妙に恥ずかしい。



たった一人に優しく笑ってもらいたいだけの精一杯のお洒落。



優羽が笑いかけてくれるだけで、わたしの心は満たされるんだ。



淡い期待を胸に、おろしたてのブーツを履いた足を早める。



行き交う人波の合間から待ち合わせ場所に腰かけた優羽が見えた。



「優羽っ」



こちらを向いている優羽と目が合った気がして、軽く手を振ってみる。



一歩ずつ優羽に近づいてるはずなのに、正面に座ってる優羽はただぼんやりこちらを見つめてるだけ。



まるでわたしなんて目に入っていないみたいに……。




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