ケータイ小説 野いちご

【完】こちら王宮学園ロイヤル部

第1章 だから初めに、言ったでしょう?
・恋人という関係








「南々瀬、帰ろうぜ」



──放課後。

そう声を掛けてきたのは大和で。あ、うん、と頷こうとして、6限が終わった頃に届いたメッセージを思い出す。



「いいんだけど……あの、C棟寄ってもいい?」



「C棟? なんか呼び出されたのか?」



「生徒会役員のバッジが出来たから取りに来て欲しいらしくて。

あ、それかここで待ってる?終わったらもどってくるけど」



「バッジ……?

んー、近くまで一緒に行くわ」



そう言ってくれた大和と、教室を出る。

ほかの生徒たちは部活に行くようで、「姫川さんまた明日」と手を振ってくれる男の子たち。女の子たちとは残念ながら、仲良くなれそうにない。




「大和、部活入ってないのね」



いつみ先輩が言っていた言葉が、脳裏をよぎる。

部活動には絶対入部のこの学校で、大和は数ある部活のどれにも属していない。つまり、「理事長直々に認められた人」の一人だ。



「あー……

できない、わけじゃないんだけどな」



「うん。花ちゃんが心配なんでしょう?」



「……まあ、そういうこと」



大和には小学2年生の妹、花ちゃんがいる。

彼女が幼稚園に通っていた頃には専業主婦だった木崎ママも、いまはパートで働いているらしい。



そのため、放課後花ちゃんの面倒を見ているのは大和だ。

放っておけないってわけじゃないけど、やっぱりまだ数時間ひとりにしておくのは心配なようで。




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