「早稀は好きな人いるの?」
「いるよ?どうしたの笑笑」
「おっ教えろ!このやろー笑」
「やだねー!教えるもんか笑笑」
「はー?笑笑」
「じゃあ先輩の好きな人は誰?」
「、、俺の、好きな人は、、、、」
先輩は悲しい顔で笑っていた。
なんでこんなにも胸が痛むの、?
「せ、、先輩!!!」
私は勢いよく起き上がった。時計を見たら
夜中の12時を回っていた。私は急に外で風
を浴びたくなったから外へ出て砂浜に沿っ
てある低い塀みたいなところを歩いている
と、
私は目を見開いた。
目の前にこの世にいなくなってしまった先
輩が座っているのだから。
「せ、先輩?!」
「おう。早稀。久しぶり。」
「え?久しぶりって、、先輩は、もう、、」
「知ってる。それでも俺はあの日からずっとお前の側にいた。」
「え?、」
「早稀の側で見守ってた、、あの日早稀の元へ行けなかったから。」
「早稀が溺れた時だって助けようとしたけど、けど、無理で、、」
「早稀溺れた時、俺ともう離れたくないって願ったよな?だから俺はこうして現れた。」
私は心の底から涙を流した。それは先輩が
怖いからではなく、やっと会えた事に泣い
ていた。
「せ、、せん、、先輩っ、」
私は大粒の涙をこぼして先輩に抱きついた。
「ばか!先輩のばか!、、私が今までどんな気持ちで、、、、あの日ずっと、、待ってたのに、、」
止まらなかった。抑えてた思いが全て溢れて出た。
「ごめん、、な、、俺、、今まで側にい
て、それでも気づいてくれなくて、苦しくて、お前が泣いてるところいっぱい見て、それでもなんにも出来ない自分が情けなくて、」
先輩も泣いていた。もちろん私も。
「あのね、私あの日先輩に告白しようと思ってたの。」
打ち明けた。やっと、言えた。1年越しに。
「俺と早稀が出会った日、覚えてるか?」
「、、うん」
────1年前────────────
【カナトside 】
俺と早稀はずっと同じ時間の同じ電車の同じ車両に乗ってたんだ。
早稀は気づいていなかった。
俺は一目惚れだった。
俺は勇気振り絞って早稀の隣に座った。
それがすげぇ嬉しくて、すごく幸せに思えた。
そしたらもっと早稀に近づきたくて、俺は
お前の肩にわざと頭乗せて寝てるフリして。
そしたらほんとに仲良くなれて、、
クリスマスの日、俺は早稀に告白しようとしてた。
そんで事故。トラックが目の前にいた時
真っ先に早稀が浮かんだ。最後は早稀
に「愛してる」って言いたかった。
そしたら気づいたらずっと魂だけお前の側
で見守っていた。叫んでも気づいてくれな
くて、俺は、ずっと泣いてる早稀を見て苦
しんでた。
もっと早く伝えればよかったと、もっと抱
きしめればよかったと、たくさん後悔した。
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