教室に脚を踏み入れると、

生徒のむっとする熱が鼻の奥をすり抜けてゆく。


窓から差し込む光が、教室の埃を魔法の粉のように輝かせている。

そしてその黄金色の日差しは床に淡い水玉模様を作り上げ、不思議な空間を作り出している。


そんな妄想的な光景の中、生徒が幾つかの団体に分かれ、周りに背中を向け、まるで秘密組織かのように、外部から身を守りながらお互いに何かを言い合っている。


みんな自分の居場所を確認するように、


輪から少しもはみ出さないように、



必死になって笑っている。





その光景が、なんだか恐ろしく感じたのは、わたしがおかしいからなのだろうか。