今日もいつも通り、学校に行き、公衆トイレで着替えて夜舞に向かう。ただいつもと違うのは、総と会わないことだろう。


でも、それは"決めたこと"なので、なんとも思わない。


私は、普段通る道じゃなくて少し新しい道を通って夜舞に行こうかなと思い、いつもは曲がらない道を曲がった。



美「…あ…」



目の前を黒猫が通った。…それだけでというのは少し安易かもしれないが…嫌な予感がした。



美「…まさか、な」



夜舞になにかあった。その考えを捨て切れず、私は夢中で走り出した。…人にぶつかりそうになりながらも、車にクラクション鳴らされながらも、ただ夢中に。















ーガラッ!!ー




美「…はぁ…はぁ…っ」



翔「あれ?美月どーかしたか?そんな慌てて」



美「な、んともねぇ…」



翔「…?」



なんだよ…。私のただの思い違いかよ…よかった。…



美「あ、奈津と世羅いなくね?」



私は息を整えながら、疑問をつぶやいた。



翔「いつもこの時間はまだ来てねぇぞ?…」



美「そうなのか?いつも私より早いから、もう来てるもんだと…」



翔「美月いつも総と勝負して帰ってくるからだろ?…って、今日は総に絡まれなかったのか?」



美「……そうだな。絡まれてねぇよ」



翔「…美月…なんか、あったのか?」



翔太は、意外と人のことよく見てるよなぁ。



美「…いいや。…ただ、一番のライバルとは会えなくなっただけだ」



翔「…どーゆういみ…?」



人の事をよく見てたって、しょせん翔太はバカだからわからないだろう。



美「わかんなくていいんだよ」




ーガラッ!!ー



世羅たちか?うるっせぇ開け方するなぁ。








世「美月っっっ!!………………っ!!!」













美「は…!??!!!」