「やっぱ高橋ってお前狙いだよなー」

「どうすんだよ、もっちー」

「どうするって……別に告白とかされたわけじゃないよ」

高橋さんが自分に好意的なのは話していたらわかる。

でも俺には先輩がいるし、高橋さんに対して特別な感情は抱いていない。それに告白されていないからどうすることもできない。


「相手は高橋だぜ? ちょー羨ましい! ちょっとくらいいいなって思わねーのかよ」

「俺、先輩がいるから」

「もっちーが惚気ると思わなかった。あーそーですよねー。もっちーにはあーんなに綺麗な年上彼女がいますもんねー」


右太がわざとらしく棒読みをしながら、俺の肩を叩いてくる。


「痛いって。だって、彼女がいるんだからありえないだろ」

さっき先輩と浮気はしないって誓ったばっかりだ。誓わなくても先輩以外の人のことをいいななんて思うことないけど。


「本当ぞっこんなんだな。俺も彼女ほしー」

「右太はまず好きな人からだな」

「勢野もだろー」

そういえば先輩はいつから俺のことを好きになってくれたんだろう。

まだ詳しく話してくれたことがない。本当はいつからだったのか、結構興味がある。……今度聞いてみよう。