様々な色の照明、重鎮でありながら華やかな雰囲気の曲、焦げ茶色の板張り。

カウンターも、その対面に揃えられた大きなテーブルも、並ぶ椅子も、ソファーも……

そしてなぜかお店の中にある小屋も、みんなやや暗いセピア調。

青やオレンジや桃色の照明に照らされる店内は、まるで、おかしな世界が二つ三つ混ざっているかのようでした。

カウンターの向こう、揃えられた紅茶の茶葉や、コーヒー豆の香りが芳しく、瓶詰めにされた金平糖がキラキラしていました。

と、そんなお店のドアを、だれかが開きます。

ただいまー♪

溌剌入ってきたのは、カフェの店主です。

長く紅い髪を頭の左右で結い、ツインテールにしています。紅いメガネをかけ、カフェの中では黒いエプロンを着付けます。

いつの間にかそんな姿が定着している彼女が、このお店の主です。