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必然と言う奇跡の出会い〜幕末の奇跡〜『弐』








何十分経っただろう……。




新選組の事が頭を占領していたあたしは、ただ黙々と歩いてるだけだった。










「空蒼お嬢様、左手にある御屋敷が本当のお家でございます」


空「………………うぇ?」


ボーとし過ぎて、変な声が出てしまった。


まいっか。






あたしはそんな事を思いながら左を見た。



空「っ……でかっ」


あたしの目に飛び込んできたのは、端が見えないくらいのでっかい御屋敷だった。





空「……御屋敷イコール日本家屋…………オーマイガー」


それはすっごく嬉しいんだよ?

日本家屋好きだし。


けど、隣に副長達が居なきゃ意味無いっつーの!







「こちらが入口になります」


空「……立派な門構え…………」


しかも門でかっ!



浅草にある雷門くらいあるんじゃない!?

やっば。



すっごいお金持ちだな……







門番「あっ、お帰りなさいませ速水様」


しかも門番居るし。

門番は、そう言い頭を下げる。




「あぁご苦労。」


意外とこの人偉い人だったりする?

てか、速水って名前なの?




門番「そちらの方は?」


と、あたしを見てくる門番二人。




「失敬な!神城家の神城 空蒼お嬢様だ!」


門番「っ……そっ、それは失礼致しました!」


バッ!


そう言ったかと思うと、門番二人は勢い良く頭を90度くらいまで下げた。






空「え……………………あっいやっ、とんでもないです……?」


あたしはどう答えて良いのか分からず、ハテナで返す。





暑苦しい……


何この……ザ・身分差別



気に入らないな。






「お嬢様すみません!こいつ新入りでして……」


空「……だから?」


「えっ?」



空「新入りだからって何なの?関係ないじゃん……怒るところ違うから」


「……?怒るところ?」


あたしは先程門番に呼ばれてたリーダー格の速水?とか言う人にそう言って、怒られた門番に近づいた。






門番「っ!?あっ、あのっ!?」

もちろん門番の一人は、驚いている。





ガシッ


門番「っ……!!??」


あたしは門番の一人の左腕を掴んで持ち上げた。





空「ここ。怪我してんじゃん」


あたしは門番の左腕を指しながら、速水と言うボディーガードに見せる。




空「……だから、怒るべきは"怪我してんのになんで手当しないのか"じゃないの?……バイ菌入ったらどうすんの」


あたしはそう言いながら門番の腕を離し、着物の袖の中をガサゴソする。


空「……お、あったあった。」

あたしは目当てのものを出す。





速水「空蒼お嬢様?」


ボディーガード達は、あたしを囲む様に不思議そうにあたしの行動を見ている。




空「……流石に消毒液は無いから、コレで我慢してね」


そう。


あたしは、未来から持ってきた絆創膏を門番の怪我している腕に貼ったのだ。



空「何処で怪我したんだろう……まぁ、かすり傷だから大事無いけど…………」

あたしは話しながら、門番に目をやった。





空「どんなに小さい傷でも、菌が入ったら大変な事になる…………これからはちゃんと手当するんだよ」



門番「っ……!」

門番は驚いた顔であたしを見ている。




空「……はいは?」


門番「っ……はっ、はい!あ、ありがとうございます!!」


空「うん、良い返事」

あたしは軽く微笑んだ。



門番「っ……」





速水「お嬢様……」


空「……そうやって、形だけのものにとらわれていたら、いつか大切なモノを無くすことになるよ」


速水「……。」


身分ね……



この時代は見て見ぬふりは出来ないくらい、厳しかったもんね。



でも……どんなに厳しくてもあたしはそれに足掻くよ。

嫌いだからそう言うのあたし。






あたしは速水とか言う人を見る。


空「何黙ってんの?入んないんならあたし帰るけど」



速水「あっ……いえ、すみません。……では入りましょう。」


空「……。」



この速水って人……

何かあるな……。














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