言った瞬間すごく残念そうな顔をされて、ちょっと申し訳ない気持ちになる。





でも、護君の悲しそうな顔の方が苦しいくらい残ってるんだ。






だから…






ペコリと頭を下げて、体育館を出ようとした。







だけど、腕を引っ張られて俊明君の元へと引き寄せられた。






騒がしい音楽の鳴り響く中で、俊明君が私がさっきやったように耳元に囲いを作って話し始める。






『護のトコに行くの、このバンドが終わってからじゃダメ?

せっかくだから一組くらい一緒に聴いて欲しいんだ。』







一組大体30分位時間が分け与えられてるんだよね?そんなにいないとダメなの?





「一曲だけじゃダメ??私こういう音楽苦手なの。」




耳元で大声で話しながら、すごいなって思った。






こんな風に自分の意見が言えるなんてここに来る前の私だったら嘘みたいだよ。






でも言わなくちゃ護君に会えないから。






好きな人の為にここまで言えるなんて自分にビックリだよ。