《人間発注書》の存在を知った翌日は信じられないくらい長い1日だった。


あいつもこいつもきっと《人間発注書》の存在を知っているんだ。


そんな中で当たり前のように過ごしているのが、なんだか妙な感覚になっていた。


「なにボーっとしてるの?」


放課後になってもなかなか席を立とうとしない俺を見て、ミホコがそう声をかけて来た。


「あぁ……。なぁミホコ。人間発注書って知ってるか?」


そう聞くと、ミホコはあからさまに顔を顰めた。


「こんな所でそんな話しないでよ」


途端に小声になってそう言ってくる。


「知ってるんだよな?」


「そりゃ、あれだけニュースになったらね」