目を覚ますと、木に凭れていた。



空を見ると曇っていて、周りには人がいなかった。



ただ遠くからは人の声が聞こえてくるから、多分私が目覚めたのは人通りが少ない通りなんだろう。



立ち上がって自分の状況を確認する。



多分体は私のもの。



ただどこも怪我していなかった。



当然服装も変わっているし、髪まで長くなっていた。



やっぱりあの猫は神様だったんだ。



そんなことを思っていると名無しが頭の中で話し掛けてくる。



名(服が着物に変わってるな。こんなに立派じゃ間者と疑われないか?)



蛍(何で?別にどこも悪いように見えないと思うけど……)



名(やっぱり馬鹿だろ。もういいからさっさと歩いてよ。新選組を探すんでしょ)



名無しに言われて目的を思い出す。



言われた通りに歩き出すと、すぐに大きな通りに出た。