────数ヶ月後





「うわぁ……!やっぱりここの景色って何回見ても感動するよね~!」

「毎回来る度に言ってるよな、お前」

「だって、毎回思うんだもん~」



ほんと、毎回思う。素敵な景色だなって。




目の前に広がるのは、今ではもう見慣れた景色で。

自分たちの暮らしている街が上から見るとこんなにも綺麗だなんて、何だか嬉しい気持ちになる。



「お母さんも毎この景色が見れて喜んでるだろうね!」

「……だといいがな」



そう言ったリョウの横顔は少し綻んでいて。

きっと、この景色を見て喜んでいるお母さんを思い浮かべているんだろうなぁと思った。



「お母さん、今日も元気にしてますか?私たちは元気にしてます!」

「何だよ、その挨拶」

「リョウ、挨拶と言えば元気にしてますか、でしょ!?」



ククッと笑うリョウに、ムッと口を尖らせて指摘する私。


リョウはそんな私の不満いっぱいの口をムギュッとつまんだかと思うと、逆の手で私の後頭部を引き寄せた。