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リョウの家が極道だった。

それはリョウを警戒するには十分な理由だった。


着信拒否しろとまでは言われなかったけど、侑真にリョウからの電話には出ないで欲しいと言われた。


私はそれを反論もなく受け入れた。

リョウの家が極道だということが自分でもまだ整理出来ていなかったから。


それと、もう一つ、警戒すべき事が増えたという理由もある。



あの日、帰りのタクシーで侑真たちに屋敷で何があったのかを説明した時、一つ疑問に思ったことがあった。

それは、雷神の元姫の存在。


雷神の姫は雷神を裏切り、リョウの傍にいると噂されていた。

実際、雷神の総長にもそう聞いた。


ということは、確実にリョウの傍には雷神の元姫がいる。


それを婚約者である彼女が許すだろうか?

別れた元カノにすら攻撃してくる彼女が?



ありえない。


そう思うのは、実際に会って彼女と会話してそう感じたからだ。

あの人はリョウに近付こうとする者を徹底的に排除するだろう。


だとしたら……?



そう考えたとき、一つの結論に至った。



“雷神の元姫”と“リョウの婚約者”は同一人物ではないのか、と。